草雲美術館 & 白石山房 ★★★★

浅井にあった八雲神社の様子を見て、一応ひと段落したのだとほっとした後、足利公園で犬の散歩をしようと思ったのですが、「草雲美術館」の看板が目に入り、ちょっと寄ってみることにしました。

足利出身の画家、田崎草雲の美術館です。

*正確には江戸の足利藩邸に仕えていた下級武士の息子で、江戸に生まれ40歳の時に足利にやってきました。

2020/5/31(日)まで休館が延長されました。


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草雲美術館1

草雲美術館の駐車場

来館者は誰もいないようです^^

 

実は、草雲美術館に入るのは初めてです。

もしかしたら、学校の課外授業で来たことがあったかもしれませんが、記憶にありません^^

草雲美術館2

草雲美術館の入口

「白石山房」の看板が掲げられています。

草雲美術館3

入館料は、大人210円。

開館時間9:00~16:00

草雲美術館6

門をくぐると、中は立派な日本庭園になっています。

草雲美術館7

正面の白い蔵のような建物が美術館です。

草雲美術館8

右にある茅葺屋根が草雲のアトリエ兼自宅「白石山房」です。

草雲美術館9

石碑と竹藪

草雲美術館10

入口にテーブルとイスがありますが、係の方は入ったすぐ右の館内受付に一人いらっしゃいました。

中は撮影禁止ですので、展示品の感想を書きます。

 

受付すぐの部屋は、4畳半くらいの畳のスペースがあり、草雲の自宅内の様子と生活用品を展示してあります。

左には、草雲の掛け軸や絵画が20点くらい展示してありました。

草雲美術館5

草雲春の吉祥展という企画展示中のポスター

「龍図」という昇り龍を描いた作品で、他に富士山や鶴の絵などもあったので、「吉祥展」のようです。

 

展示品は、

【第一展示室】

「梅竹雙喜図」「五福祥集図」「土筆の図」「人物昆虫?本図鑑」「足利離陣絵巻」

 

【第二展示室】 *( )内は文化財指定

「龍図」(栃木県指定)「一品当潮図」「群鶴図」「海東神秀図」「春山暁靄図」(足利市指定)

「蓬莱山図」(足利市指定)「蓬莱仙宮図」(栃木県指定)「梅花書屋図」「三白図」(栃木県指定)

「魏紫桃紅図」「朝陽鳴鳳図」「歳寒報喜図」(栃木県指定)

「桃花乳鳩図」「筧に小禽図」(足利市指定)「生写四十八鷹図」「俳画帖」「飲中八仙図」

でした。

草雲「蓬莱仙宮図」足利市

「蓬莱仙宮図」(足利市のサイトより転載

 

展示品は個人所有の作品が多かったです。

つい数日前に、小布施の「北斎館」に行ったばかりですが、見劣りすることもなく、良い作品が見れて楽しかったです。

「魏紫桃紅図」「朝陽鳴鳳図」「歳寒報喜図」の三点セットの掛け軸は良いなぁと思いました。

草雲美術館11

出口

壁には他の美術館のポスターと、草雲の作品のレプリカ品の案内。

織姫さんの色紙の絵は、織姫神社でも売られていたような気がします。

 

【草雲のアトリエ兼自宅 白石山房】

草雲美術館12

庭を出て、草雲宅の「白石山房」へ。

写真を撮っていたら、庭でお手入れをしていた係員の方が、「興味がありそうだから、中も見せてあげるよ。」と言って、30分くらい案内してくださいました^^

草雲美術館13

こちらの建物が「白石山房」

「この史跡は田崎草雲が明治6年に蓮台寺跡を買い求め、明治11年、64歳のとき家屋の完成をみました。
居室を硯田農舎といい、2階を画室に使用していましたが、晩年になってから階段の昇降の不自由を感じたので、東側に平屋建の画室をつくり、ここを蓮台画室と称しました。」の案内板。

草雲美術館14

1階の様子。特別展示がない限り中には入れません。

草雲美術館15

隣の部屋

草雲の生前は、この家の二階から、秩父連峰と富士山が見えたそうです。

 

*後日、奥秩父の山の上にある三峯神社に参拝したら、神主さんが足利の日赤がここからよく見えるとおっしゃっていました。赤く光る十字が目立つのだとか。秩父の山の形を覚えておけば、きっと足利からも秩父が見えるよと言われましたが、う~ん、良く分かりません^^

草雲美術館16

隣の建物に通じています。

草雲の作品は、掛け軸や屏風などの大作が多いので、自宅が手狭になり&高齢で2階に上がるのが大変ということで、もう一つ平屋を建てたそうです。

草雲美術館17

隣の建物内 画室とお茶室のようです。

壁には「蓮岱寺屋」の書。

 

足利公園の隣に、「蓮岱館」(食べログ)という接待や法事でよく使われる料亭がありますが、もともとこの土地には「蓮岱寺」というお寺があり、この一帯が「蓮岱寺山」と呼ばれていたそうで、そこから由来している名前だそうです。

草雲美術館24

北側の6畳くらいの部屋にはお茶道具が。

毎月、ここで、足利商工会議所主催のお茶会が行われるそうで、誰でも無料で参加することができます。

多い時は、150人くらい来るそうです。

お茶の先生は、その時によっていろいろだそうです。

以前、母もお茶を習っていた時に、この行事に参加したそうです。

草雲美術館23

外に出てると、

草雲美術館22

 下には川が。

昔は農業用の用水路として使われていたそうで、お水も汲めたそうです。

渡良瀬川の水を引いているそうです。

草雲美術館25

西側の隣室はお茶室

真ん中の小さな正方形の部分は茶釜を入れるところ。開けて見せてくださいました。

草雲美術館27

お茶室の裏側の戸。部屋の内側は障子になっていて、

ここを開けると、外の景色が見えるようになっています。

草雲美術館28

茶室の内側

草雲美術館26

屋根の下にある白い支えの木は、サルスベリだとのこと。

草雲美術館29

部屋からの眺め

梅や桜の木もあるので、お花の季節や紅葉の時期は綺麗でしょうね。

すぐ向こうは、両毛線が走っています。

草雲美術館30 

茅葺屋根

足利はそれほど雪が降る地域ではないので、技術の継承が容易ではなく、茅葺を修復できる方がいないのだそうです。

 

「お客さん誰もいませんね~」と言うと、

「掛け軸とか興味ある人は少ないからね~」

「今日は出てないけど、すごい屏風もあるよ~」とのこと。

 

犬を車の中に待たせていたので、

ちょっと見てこようかくらいのつもりでいたら、

思いがけず、案内していただいて、

大変有意義なお出かけとなりました♪

 

隣の八雲神社でお賽銭を奮発したおかげなのか^^

草雲美術館、良かったです♪

 


庭園の様子を動画で撮影しました(解像度がイマイチですみません)

 

【田崎早雲の紹介】

草雲羊羹10

近くの草雲羊羹総本舗に飾ってあった田崎早雲の写真

 

田崎草雲は、文化12(1815)年10月15日に、江戸神田小川町足利藩邸内にて生まれました。

幼い頃から親戚の金井烏洲(かないうじゅう)に絵画の手ほどきを受け、20歳のときに藩士をやめて谷文晁(たにぶんちょう)・渡辺崋山(わたなべかざん)らの画風を学びました。嘉永6(1853)年には、足利藩の絵師になっています。

一方で、草雲は志士たちと交友を深め、尊王の志を強くし、幕末・維新の動乱期には誠心隊(せいしんたい)という民兵組織を結成し治安維持にあたり、足利を戦火から守りました。

明治11(1878)年には、蓮岱寺山(れんだいじやま)〔現:足利公園内〕に白石山房(はくせきさんぼう)を建て、山水・花鳥・人物など様々な作品を描きました。

草雲の描く作品は、国内外で高い評価を受け、数々の賞を受賞しています。
また、明治23(1890)年には、芸術家にとって最も名誉ある帝室技芸員(ていしつぎげいいん)に、橋本雅邦(はしもとがほう)らとともに選ばれました。

明治31(1898)年、84歳で静かにその生涯を閉じました。 ~足利市HPより

司馬遼太郎の短編「喧嘩草雲」のモデルにもなった人物です。~wikiより

草雲を敬愛してやまない著者が、草雲の日記や弟子の文献を丹念にひもとき、もっとも輝いていた慶応四年の行動などから「人間・田崎草雲」の真実像に迫った、愛情あふれる草雲研究書である。

現在絶版 岩下書店に行けばあるかもしれません。

司馬遼太郎著「馬上少年過ぐ」 田崎早雲を描いた『喧嘩草雲』収録

戦国の争乱期に遅れて僻遠の地に生まれたが故に、奥羽の梟雄としての位置にとどまらざるをえなかった伊達政宗の生涯を描いた『馬上少年過ぐ』。英国水兵殺害事件にまきこまれた海援隊士の処置をめぐって、あわただしい動きを示す坂本竜馬、幕閣、英国公使らを通して、幕末の時代像の一断面を浮彫りにした『慶応長崎事件』。ほかに『英雄児』『喧嘩草雲』『重庵の転々』など全7編を収録する。

 


*情報は掲載時のものです。
変更されている場合がございますので、お出かけの際には事前にご確認ください。


草雲美術館 足利市のサイト

住所:足利市緑町2丁目3768番地
Tel./Fax.0284-21-3808

開館時間 9:00~16:00 月曜休館 ⇒その他の休館日はこちら

【草雲美術館へのアクセス】

◆車
北関東道「足利IC」から15分、「太田桐生IC」から20分、東北道「佐野藤岡IC」から30分。
ドラぷら
◆電車
JR足利駅・東武伊勢崎線足利市駅よりあしバス・アッシー小俣線・松田線で「通6丁目」下車、徒歩10分。
Yahoo!路線情報あしバスアッシー時刻表


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